この記事は、あがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』内で紹介されている「本気の家計簿」を参考に、Excelを使った複式家計簿を事業用に応用する帳簿「Excelの複式事業簿」を作るまでを撰述したものである。
あがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』で紹介されている「本気の家計簿」を応用して個人事業用の帳簿をつけたい、と思い立ったことから、完全無料で「Excelの複式事業簿」を作っていく今回の連載。
前回はその導入理由や「本気の家計簿」の便利さについて書かせていただいたので、今回から実際に「Excelの複式事業簿」完成までの過程を撰述していく。
今回の章では事業用に対応した「Excelの複式事業簿」を作っていくその前に、あがぺいさんの「本気の家計簿」を作った際の一部の設定を「Excelの複式事業簿」で使いやすいよう変更する。
「本気の家計簿」の作り方・記帳の仕方はここでは解説しないので、ぜひあがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』をご参照いただきたい。

「本気の家計簿」を一部事業用に使いやすいように記帳ルールを変更する
あがぺいさんの「本気の家計簿」は、複式家計簿としての完成度が高く、それだけで実用性はとても高いものに仕上がっている。
その「本気の家計簿」を個人事業用にも使えるようにするために、一部の設定や入力法則を変えていく。
プラス表記・マイナス表記での記帳ルールを変更する
まず「本気の家計簿」の「借方はプラス・貸方はマイナスで仕訳する」という記帳ルールを変更する。
「本気の家計簿」は複式簿記とはいえ、実際の簿記のように貸借を左右に分けて記帳するのではなく、縦に記帳していく方式を取っている。
筆者も試しに、通常の仕訳通りに貸借を左右で記帳するものをExcelで作ってみたが、集計の際に勘定科目が借方のものと貸方のもので分かれてしまうなど、うまく作り上げることができなかった。

縦型記帳自体はまったく不便なものではなく、その縦型記帳ゆえに(またその後の月末等の締めの時のために)「借方はプラス・貸方はマイナスで仕訳する」という記帳ルールを採用されているのだが、これを視覚的・直感的にわかりやすくするために、純粋な増減やそのグループの意味でのプラスマイナス表記に変えていく。
といっても、わかりにくいと思うので、まとめると以下の通り。
- プラス(正)で記帳するもの
- 借方
- 貸方
- マイナス(負)で記帳するもの
- 借方
- 貸方
「資産や収益などいわゆるプラスのグループの物が増加したときはプラス入力・減少したときはマイナス入力」と「負債や費用などいわゆるマイナスのグループの物が増加したときはマイナス入力・減少したときはプラス入力」をするということ。


負債や費用は自分にとってマイナスなもの。それが増加したときはマイナスなものが増えた(たとえば借金が増えた)ので「マイナスで入力」、減ったら「プラスで入力」(借金を返せた)ということ。
これを大前提の入力ルールとして覚えておくと、後々視覚的にもわかりやすくなる。
なぜこのようにルール変更するかというと、「収入は正のもの・借入などは負のもの」という普段の感覚に近しい正負のルールで入力をしておきたいという希望と、「集計表シート」を見たときに何が黒字で何が赤字かを視覚的にわかるようにしておきたいためだ。
「集計表シート」の設定を変更する
「本気の家計簿」では貸借が一致していることを確認するために、列の総計を表示して行の総計を非表示にしていたが、それを逆にして、列の総計を非表示にして行の総計を表示に変更する。
理由としては、集計表は資産や負債などの増減を視覚的にわかるようにするために利用し、貸借の一致は別のシートにて判断できるようにするためだ。
この「集計表シート」ではシンプルに資産・負債・収益・費用が一目で確認できる表として利用していく。
- ①「集計表シート」を開き、ピポットテーブル内を右クリックしてから、[ピポットテーブル オプション]を開く
- ②[列の総計を表示する]がオンになっているはずなのでオフにし、[行の総計を表示する]をオンにする
- ③一目で黒字や赤字、また総計額がわかるようになればOK