Excelの複式事業簿~第3章:万能表シートを追加する~

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この記事は、あがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』内で紹介されている「本気の家計簿」を参考に、Excelを使った複式家計簿を事業用に応用する帳簿「Excelの複式事業簿」を作るまでを撰述したものである。

あがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』で紹介されている「本気の家計簿」を応用して個人事業用の帳簿をつけたい、と思い立ったことから、完全無料で「Excelの複式事業簿」を作っていく今回の連載。

今回の章では、今まで仕訳帳シートなので設定した内容を反映した「万能表」というシートを作成する。これにより「試算表」「損益計算書」「貸借対照表」を確認することができる。

「本気の家計簿」の作り方・記帳の仕方はここでは解説しないので、ぜひあがぺいさんのブログ『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』をご参照いただきたい。

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「試算表」「損益計算書」「貸借対照表」に対応した万能表を作る

最後は、個人事業主として一番大事なポイント、「損益計算書=P/L」と「貸借対照表=B/S」に対応した表の作成方法を紹介。

名前を暫定的に「万能表」と名付け、フィルターを切り替えるだけで「試算表」「損益計算書」「貸借対照表」を切り替えて確認できる便利なシートを用意しておく。

新しいシートで「万能表」を作る

新しいシートを追加して、「万能表」を作っていく手順を紹介。

  • Excel下の[+]をクリックして新しいシートを追加する
  • [挿入]タブ⇒[ピポットテーブル]⇒[テーブルまたは範囲から]をクリック
  • テーブル/範囲に「shiwake」と入力して[OK]をクリック
    • 仕訳帳シートのテーブル名を入力
  • ピポットテーブルが開くので以下のようにボックスにフィールドを入れていく
    • フィルター:[年][月(日付)][帳票区分]
    • 列:[貸借区分]
    • 行:[グループ][勘定科目]
    • Σ値:[絶対金額]
  • [デザイン]タブ⇒[レポートのレイアウト]⇒[表形式で表示]をクリック
  • ピポットテーブル上を右クリックして[ピポットテーブル オプション]を開く
  • [集計とフィルタータブ]⇒[列の総計を表示する]のみオン
  • 万能表の完成
「万能表」作成手順
  • Excel下の[+]をクリックして新しいシートを追加する
  • [挿入]タブ⇒[ピポットテーブル]⇒[テーブルまたは範囲から]をクリック
  • テーブル/範囲に「shiwake」と入力して[OK]をクリック

    ※人によってはテーブル名を変えている場合があるので、仕訳帳シートのテーブル名を入力する

  • ピポットテーブルが開くので画像のようにボックスにフィールドを入れていく
  • [デザイン]タブ⇒[レポートのレイアウト]⇒[表形式で表示]をクリック
  • ピポットテーブル上を右クリックして[ピポットテーブル オプション]を開く
  • [集計とフィルタータブ]⇒[列の総計を表示する]のみオン
  • 万能表の完成

「万能表」の使い方~試算表・損益計算書・貸借対照表を兼ねる~

作成した「万能表」は、「試算表」「損益計算書」「貸借対照表」として使うことができる。

「試算表」として万能表を使う

「Excelの事業簿」として改訂した仕訳帳は、仕訳帳だけでも貸借や貸借一致の判定を自動で表示されるようになっているため、「貸借の不一致」を判断する材料としての「試算表」としての役割は、この万能表にはあまりないと言える。

が、年月日で絞って、その時点での各勘定科目の動きを時間軸で見ることで、支出増減の傾向や利益の推移を可視化できたり、PL/BSを同時に並べて見られるというメリットがある。

「損益計算書」として万能表を使う

フィルターの[帳票区分]を[P/L]にして絞り込むことで損益と費用のみが表示され、万能表を「損益計算書」として使うことができる

月次や期末決算の際に収益と費用の差額から損益を計算し、剰余金で仕訳すれば来期に簡単に繰り越すことができる。

「貸借対照表」として万能表を使う

万能表を「損益計算書」として利用し、損益を計算して剰余金を仕訳したあと、この万能表を「貸借対照表」として利用することができる。

月末や期末時点での資産や負債、純資産の総計を視覚的に確認することができ、確定申告の際に利用しやすくなる。

Excelの複式事業簿~ひとまずのまとめ~

この時点で、個人事業主として最低限利用できる複式簿記「Excelの複式事業簿」の完成となる。

今後はインボイス制度に対応した消費税区分の自動仕訳、また補助簿への自動反映などを紹介していきたいと思う。

第0章で撰述したが、今は家計簿アプリも充実しているし、個人事業主のためのアプリやソフトも充分な性能のものが飽和しているともいえる。

しかし事業が大規模であったり会社を興していたりするわけでなければ、自身での帳簿の管理が一番現状の資金管理の把握として間違いがないのは事実なので、ぜひこの機会に挑戦してみてはどうだろう。

ここまで自身で調べてみようと思っただけでも、あがぺいさんが『ミールキットとExcel家計簿のあがぺいブログ』内で紹介している「本気の家計簿」の偉大さには脱帽である。

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