結論を先に撰述。この記事では2026年現在のGoogle Nest Doorbellの使用感をレビュー。また壁に穴を開けずに賃貸の玄関扉に取り付ける方法も紹介。Google Oneの有料メンバーシップに入れば機能を最大限に使用可能。
2021年8月26日に日本のGoogleストアで発売された、スマートホームシリーズ「Google Nest Doorbell(Battery Type)」。

防犯カメラとしての機能を備えたこのGoogle製ドアホンは、発売からおよそ5年が経過する現在も現役で販売されている。
近年ではAnkerやSwitchBotなど、様々なメーカーがワイヤレスドアホンを市場に投入しているが、日本においては、アイホン株式会社とパナソニック株式会社の2大メーカーが約90%という圧倒的なシェアを占めているのが現状だ。
中でもワイヤレスで後付け可能なタイプに限定すると、トップ3をパナソニック製品が独占している。※2026年7月10日・価格.com人気売れ筋ランキング(ワイヤレス)調べ
そんな既存メーカーの牙城を崩すのが難しそうなドアホン市場へ投入された「Google Nest Doorbell」も、発売当初のネット上の評価は決して芳しいものばかりではなかった。
「通知のタイムラグ(遅延)が気になる」「取付のために壁に穴を開けなければいけない」「訪問履歴を残すには実質サブスクへの課金が必要になる」など、実用面での課題を指摘するレビューが多く見受けられた。
では、発売から約5年が経ち、ソフトウェアのアップデートを重ねた今、実際の使い勝手はどう変化しているのだろうか。
本記事では、現在もなお販売が続くこの製品を実際に使用し、2026年現在のリアルな使用感として改めてレビューしていく。
◆
◆
「Google Nest Doorbell」の簡単なスペック紹介
詳細なスペックについては、Googleストア公式サイトの商品・技術仕様ページを確認していただくほうがわかりやすいため、ここでは実際に手にしたときのサイズ感や重量、動画の画質などの印象について簡単に撰述していく。

厚みこそ異なるが、重量やサイズ感は現行のスマートフォンを持っているのと近い感覚だ。
Google Pixel 10と高さ・重量はほとんど変わらず、iPhone 17よりはほんの少し大きく重く感じる程度である。
◆
撮影された動画の印象について
現在のスマホカメラが4800万画素や5000万画素を誇り、標準出力でも1200万画素程度が当たり前である中、130万画素という数値はかなり少なく不安に感じるかもしれない。
確かに「拡大してディテールを細かく見る」という用途には不向きだが、ドアホンとして訪問者を識別するには十分な性能だ。
それどころか、一般的な賃貸マンションに設置されている既存のドアホンと比べても、表情まで鮮明に確認することができる。
また夜間のカラー撮影には対応していないが、 ナイトビジョン機能 高出力赤外線(IR)LED を使用して、暗い場所でも明るく撮影してくれる機能。設定から「常にオン」「自動」「オフ」が選べる。 ※により、白黒でもしっかりと訪問者を撮影してくれる。
画像はプライバシー保護のためモザイク加工をしているが、ナイトビジョン機能でも表情まで確認ができた。
◆
賃貸でも設置可能!Google Nest Doorbellをマグネットで玄関扉に超簡単取り付け
Google Nest Doorbellの公式な設置方法は、壁やドア枠に穴を開け、ベースプレートをネジで直接固定するというものだ。
持ち家で玄関周りを自由にDIYできる環境であれば悩む必要はないが、スマートドアホンを求めている方の多くは、「備え付けのインターホンを勝手に交換できない」「壁に穴を開けられない」と悩む賃貸ユーザーではないだろうか。
実際にネット上のレビュー記事やYouTube動画で「賃貸向けの設置方法」を調べると、穴を開ける代わりに「強力な両面テープ」を使ってベースプレートを壁やドアに直接貼り付ける方法がよく紹介されている。
しかし、いくら強力なテープとはいえ、屋外の雨風や寒暖差による耐久性への不安や、退去時に剥がす際の塗装剥がれ・ベタつき残りが気になり、どうしても試す気になれなかった。
「テープも穴あけも使わずに、もっと安全で確実な方法はないか?」とさらに調査を進めたところ、株式会社オーム電機が販売している「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」が、Doorbellのベースプレートにシンデレラフィットするという情報を発見。
現在主流となっているスチール製の玄関扉や、磁石がつくタイプのステンレス製の扉であれば設置が可能ということで、さっそく購入して取り付けてみた。
なお、アルミ製や木造の玄関扉では磁石がつかないため、「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」を利用することができない。
あらかじめ玄関扉に磁石がくっつくかを確認したうえで購入しよう。
◆
「フック穴付きタップ用マグネット」とは?
株式会社オーム電機が販売している「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」は、元々はフック穴が付いている電源タップに取り付け、電源タップをデスクの柱や裏などに設置するために販売されているものである。


超強力希土類マグネットが使われており、ネジの呼び径は3mm。

これがGoogle Nest Doorbellのベースプレートにもまさにシンデレラフィットする形になっており、まるで公式の付属パーツかのように装着することができる。


もちろん、付属品の角度調整用パーツを使用した状態でも、この「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」は併用が可能となっている。
◆
賃貸の玄関にマグネットを取り付けたGoogle Nest Doorbellを設置する
今回検証した玄関には、扉の横にカメラなしの備え付けインターホンがあったため、それと並ぶように玄関扉にGoogle Nest Doorbellを設置した。


オーム電機のマグネットは「超強力タイプ」と謳っているだけあり、ドアの開け閉めでズレ落ちる気配は全くない。
意図的に外そうとしても、少し力を入れないと外れないほどガッチリ固定されている。
とはいえ、これだけ簡単に着脱できると、「いくら強力な磁石とはいえ、外に置いておいたら誰かに盗まれないか心配」と考える方もいるかもしれない。
しかし、万が一Google Nest Doorbellが盗難被害に遭った場合でも、Google公式の盗難補償サポートを利用して新しいデバイスと交換できる可能性がある。
さらに、 盗まれた瞬間の映像もしっかりとクラウド上に録画・保存される Google Home Premium未加入の場合は直近3時間 ※ため、防犯面でも大きな抑止力となる。万一 Google Nest のカメラまたはドアホンが盗まれた場合は、Google がサポートします。カメラまたはドアホンが盗まれたことを報告されたお客様には、追加料金なしで交換させていただきます(対象となる場合)。
Google Home and Nest ヘルプ – Google Nest のカメラまたはドアホンが盗まれた場合の対応方法より引用
「盗まれるリスク」よりも「手軽に導入できるメリット」が大きく上回るため、設置のハードルはグッと下がるはずだ。
盗まれた際の詳細な対応方法や対象となる場合については、公式サイトにて確認しておこう。
◆
思わぬメリット!ビス止めや両面テープで設置しているときより充電作業が楽になる
日本のGoogleストアで販売しているGoogle Nest Doorbellはバッテリー内蔵タイプのため、定期的に充電が必要になる。
本来の充電手順は、「専用のリリースピン(工具)を使って、壁に固定されたベースプレートから本体だけを取り外し、背面にType-Cケーブルを挿す」というもの。
そのため壁に固定している場合、いちいち屋外で専用ピンを使って本体を外す作業が必要になってくる(作業自体は簡単だが、毎回となると少し面倒)。
しかし「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」を使用した場合、ベースプレートごとドアから手で直接外して、そのまま室内に持ち込むことができる。
外で作業せずとも、家の中で落ち着いてから本体とベースプレートを分離して充電できるのは、地味ながら非常に嬉しいポイントだった。
◆
【検証】噂されていた「映像遅延(タイムラグ)」はその後どうなった?Google Nest Doorbell の動作を確認
Google Nest Doorbellは、Google Nest Hubなどのスマートディスプレイと連携することで、呼び出しボタンが押されると自動的に画面が点灯し、カメラの映像で来訪者を確認できる。
しかし発売当初は、「ボタンを押してから通知が来るまでに時間がかかる」「通知をタップしてから映像が表示されるまでにさらにラグがある」といった、映像遅延(タイムラグ)に関するレビューが散見されていた。
そこで今回、現在の環境でどれくらいラグがあるのかを検証してみた。
なお、検証にあたってGoogle Nest HubがGoogleストアで在庫切れとなっていたため、今回は以下の2つの環境でタイムラグを計測している。
- スマホ(Pixel 10)の場合:
- 呼び出しボタンが押されてもHomeアプリが自動で開くことはなく、あくまで「通知」が届くのみとなるため、通知が来るまでのラグを検証。
- Google Nest Miniの場合:
- スピーカーのみのため画面点灯はないが、Nest Hubと同様に呼び出し音は鳴るため、呼び出し音が鳴るまでのラグを検証。
◆
呼び出しボタンが押されてからスマホに通知がくるまでの時間
実際にGoogle Nest Doorbell の呼び出しボタンを押してみると、スマホ(Pixel 10)には1秒もかからずにプッシュ通知が届いた。
しかし、その通知をタップしてからカメラのライブ映像が表示されるまでには、約3秒のラグがあった。
スマホの場合、ボタンが押されてもアプリの画面が自動で立ち上がるわけではない。
そのため、「通知に気づく → タップする → 映像が表示される → 応答する」という一連の動作を完了するまでに、体感としておよそ5秒ほどを要する感覚だ。
◆
呼び出しボタンが押されてからGoogle Nest miniの呼び出し音が鳴るまでの時間
続いてGoogle Nest Miniの場合だが、先ほどのスマホ通知とは異なり、呼び出しボタンを押してから宅内のスピーカーでチャイム音が鳴るまでに約5秒のタイムラグがあった。
今回は画面付きのGoogle Nest Hubでの検証は行えなかったが、仮にNest Hubの画面が自動点灯するまでのラグが、このNest Miniの呼び出し音と同じ(約5秒)だと仮定しよう。
そうすると、結果的に「スマホで手動確認する」のも「スマートディスプレイの自動点灯を待つ」のも、来訪者の映像を確認できるまでのスピードはどちらも【およそ5秒程度】ということになる。
◆
【実際の運用】通常のインターホンとGoogle Nest Doorbellの併用が最強
ここまでGoogle Nest Doorbell単体でのレスポンスを検証してきたが、実際の運用において、来訪者(特に宅配業者など)がGoogle Nest Doorbellのボタンを押してくれることはほぼないのが現実だ。
玄関に通常の備え付けインターホンがある場合、大半の人は迷わずそちらを押す。
そのため、現実的かつ実際の運用フローは以下のようになっていく。
- 来訪者が通常の備え付けインターホンを押す
- 手元のスマホ(Nest Doorbellの映像)で、誰が来たのかを確認する
- そのまま通常のインターホンで応答する
Google Nest Doorbellのようなスマートドアホンを導入する目的は、そのほとんどが「来訪者の確認」であると思われるため、この運用方法でも充分にその目的を満たすことは可能だ。
おススメとしては、機種変更などで既に利用していない旧スマホを宅内のインターホン付近に常設してモニター代わりに使用すれば、画面を確認後そのままインターホンで応答することができる。
検証中、既に10回以上宅配業者などの来訪を受けたが、Google Nest Doorbellの呼び出しボタンを押した人はゼロ。
しかし、「インターホンが鳴る⇒スマホで来訪者を確認」その後にインターホンで応対するまでに、留守と判断し立ち去る人もまた一人もいなかった。

モーション検知アクテビティの人物検知機能をオンにしていれば、Google Nest Doorbellのドアホンボタンを押下されなくても履歴がきちんと残るため、来訪者の確認は可能となっている。
◆
Google Oneの「AIプラン」加入で、Home Premium特典が利用可能!
クラウドストレージの容量を追加・拡張できる有料のメンバーシップサービス「Google One」。
実はこのサービスの中で、「Google AI Plus」や「Google AI Pro」といったAIプレミアムプランに加入していると、本来なら月額1,000円かかる「Google Home Premium」の特典を追加料金なしで利用できる。
Google Home Premiumが適用されると、Google Nest DoorbellやGoogle Nest Camで検知されたアクティビティの動画履歴(ハイライト)が30日分さかのぼって確認可能に。
さらに、家族や友だちの顔を自動で認識して通知してくれる「人物認識アラート」も使えるようになる。
たとえば、月額2,900円の「Google AI Pro」プランに加入した場合、得られる恩恵は凄まじい。
以下のようなサービスがすべてセットになっているのだ。
AI全盛のこの時代。使用上限があるとはいえGeminiの高性能なProモデルが自由に使い倒せて、これだけの各種サービスを享受しつつ、さらに玄関の来訪者履歴まで30日間しっかり保存しておけるとなれば、月額2,900円という価格は決して高くはないだろう。
5TBのストレージは、家族や友人など最大5人のユーザーと共有可能になっているため、一人当たりに換算すれば最安580円で利用できるということになる。
当サイトではGoogle AI Proについても解説しているため、気になる方は合わせてチェックしてみてほしい。
◆
Google Nest Doorbell – 2026年時点のレビューまとめ
以上が、2021年に発売された「Google Nest Doorbell」の2026年現在におけるレビューと、賃貸向けのマグネット設置ハックのまとめである。
通知やカメラ映像が表示されるまでのラグ(遅延)については、発売当初の評判から劇的な改善は見られない結果となった。
しかし、本記事で紹介した「備え付けインターホンとの併用(映像確認専用)」という運用方法を取り入れれば、その弱点はカバーできる。
さらに、Google One(AIプラン)加入者への「Google Home Premium特典」の提供開始や、オーム電機の「フック穴付きタップ用マグネット(HS-A0166)」を活用した「壁に穴を開けない設置ハック」の活用によって、デバイスとしての総合的な「買い度」は発売当時よりも格段に高まっていると言えるだろう。
特に、カメラ付きインターホンの設置を諦めていた賃貸ユーザーにとって、この組み合わせは頼もしいソリューションになる。
防犯対策や来客対応をスマート化したい方は、ぜひこの機会に「Google Nest Doorbell」の導入を検討してみてほしい。






