結論から言ってしまうと、一番おすすめの対処法は、Windowsの設定から「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」オプションを有効にする。その他の対処法や環境などを以下で解説。
パソコンでキーボード入力を行っている際、Fn(ファンクション)キーを使用した瞬間に画面が一瞬フリーズし、その直後に文字入力が一切できなくなるという現象が発生するようになり、非常に困っていた。
たとえば「america」と入力する際、ローマ字で「あめりか」と打った後、F10キーで半角英字に変換しようとした瞬間にフリーズする。あるいは「アメリカ」とカタカナで入力する場合も、F7キーでカナ変換を行った際に同様の現象が発生する。
現象の発生条件を整理すると、F7・F8・F9・F10といった変換系ファンクションキーを押下した際にのみフリーズが発生している。
さらに厄介なのは、発生する場面が限定されていない点である。WordやExcelといったOfficeソフトに限らず、Chromeなどのブラウザ上、たとえばWordPressで記事を撰述している最中にも同様の不具合が生じる。
このことから、特定のアプリケーション由来の不具合ではなく、パソコン本体──すなわちハードウェアかOS・ドライバなどのソフトウェア層に起因する問題と推測される。
ネットで検索しても同様の現象が発生している報告が見つからず、現時点で根本的な原因や確実な解決方法は判明していない。
しかし、試行錯誤の中で一部の対処が有効だったため、暫定的な対応策として以下に備忘録的に記録しておく。
Fnキーを押すと固まって入力ができなくなった際の対処法
キーボード入力を行っている際、Fnキーを使用した瞬間に画面が一瞬フリーズし、その直後に文字入力が一切できなくなるという現象について、筆者が利用しているPC環境は後ほど撰述するとして、先に対処法を紹介。
「解決法」ではなく、あくまで暫定的な「対処法」である。
対処法①:以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う
現時点で最も効果があった対処法は、Windowsの設定から「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」オプションを有効にする方法である。
この設定をオンにすることで、Fnキー使用後に入力が一切反応しなくなった状態でも、再び文字入力が可能になることを確認した。
- スタートメニューから[設定]を開く
- 右下のタスクトレイのIME(「あ」や「A」の箇所)を右クリックして[設定]を開いてもOK。その場合は手順6へ
- 左の[時刻と言語]を開く
- [言語と地域]を開く
- [言語]タブの[日本語]の右にある[⋯]をクリック
- [⋯言語のオプション]を開く
- [キーボード]タブの[Microsoft IME]の右にある[⋯]をクリック
- [⋯キーボードオプション]を開く
- [全般]を開く
- [互換性]タブにある[以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う]のチェックマークをオンにする
- ①スタートメニューから[設定]を開く
右下のタスクトレイのIME(「あ」や「A」の箇所)を右クリックして[設定]を開いてもOK。その場合は手順6へ
- ②左の[時刻と言語]を開く
- ③[言語と地域]を開く
- ④[言語]タブの[日本語]の右にある[⋯]をクリック
[⋯言語のオプション]を開く
- ⑤[キーボード]タブの[Microsoft IME]の右にある[⋯]をクリック
[⋯キーボードオプション]を開く
- ⑥[全般]を開く
- ⑦[互換性]タブにある[以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う]のチェックマークをオンにする
根本的な原因については依然不明だが、この現象がIMEのバージョンを切り替えることで回避されることから、Microsoft IMEの最新版と何らかの競合、あるいは不具合が発生している可能性が高いと考えられる。
旧IMEを使用している間は同様の不具合が再発しておらず、少なくとも現段階では最も安定した暫定対応策といえる。
対処法②:タスクマネージャーから対象アプリを終了する
対処法①として挙げた「設定から『以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う』をオンにする方法」によって、キーボードが入力できなくなる不具合には現状、確実に対処できていると考えられる。
ただし、業務環境やセキュリティポリシーの都合などで旧IMEへの切り替えが難しい場合は、別の対処手段として、タスクマネージャーを起動し、問題が発生している該当アプリケーションを一旦強制終了する方法も検討できる。
- ①[Ctrl]+[Alt]+[Del]のキーを同時押し
- ②[タスクマネージャー]を開く
- ③[プロセス]にある該当するアプリを右クリックして[タスクの終了]をクリック
この手段はあくまで応急処置的な対応となるが、入力不能状態から一時的に復帰させる手段としては有効。
タスクマネージャーからアプリを終了し、再度起動すれば通常どおり入力ができるようになる。
デメリットとしては、未保存の作業内容が失われる可能性がある。
たとえばChromeなどのブラウザでこの現象が発生している際、すでに開いているタブをすべて一度強制的に閉じてしまうなど、作業中のアプリでこの方法を使用する際は十分に注意が必要。
対処法③:PCを再起動する
「対処法」と呼ぶには苦しいが、困ったときの最終手段として挙げておきたいのが、パソコン本体の再起動である。

筆者自身も当初は、「Fnキー使用の瞬間にフリーズし、直後に文字入力が完全に不能になる現象」に直面するたび、PCをいちいち再起動するしか手がなかった。
根本的な解決ではないものの、再起動すれば確かにそのセッション中は問題が解消されるため、ある意味での「回復手段」ではある。
しかし、対処法①で紹介したように「旧IMEの利用」へ切り替えて以降は作業の終了まで再起動せずに済むようになった。
したがって、再起動はあくまで他の手段が使えない場合に限った最終手段として紹介しておく。
Fnキーを押すと固まって入力ができなくなった・利用環境
キーボード入力を行っている際、Fnキーを使用した瞬間に画面が一瞬フリーズし、その直後に文字入力が一切できなくなるという現象について、筆者の利用環境を撰述しておく。
- PC本体:Microsoft Surface laptop 第7世代
- エディション:Windows 11 Home
- バージョン:24H2
- プロセッサ:Snapdragon(R) X 10-core X1P64100 @ 3.40 GHz 3.42 GHz
- 実装RAM:16.0 GB
- システムの種類:64 ビット オペレーティング システム、ARM ベース プロセッサ
いわゆるARM版Windowsは、未対応ソフトや不具合が多く、安定性に欠ける傾向があるため、今回の現象もARM特有の互換性やドライバの問題が関与している可能性は否定できない。
Fnキーを押すと固まって入力ができなくなった現象の発生状況
冒頭でも触れたが、この「Fnキー使用時に一瞬フリーズし、その後文字入力ができなくなる現象」は、主にF7~F10といった変換系ファンクションキーを使用した際に発生している。
ネット上で類似事例を検索しても、「Fnキーの割り当て設定」や「Surfaceの場合はFnキーがロックされていないのでは」といった一般的な対処法ばかりで、同様の現象報告には行き当たらなかった。
もちろん、Fnキーはロック(白点灯)した状態で使用しており、F9やF10なども通常時は問題なく動作しているため、割り当ての問題でもないと判断している。
なお、この現象は常時発生するわけではなく不定期に再現され、発生時の挙動は以下のとおり。
- WordやExcel、Chromeブラウザなどでキーボード入力を行っている
- ローマ字で入力した文字を変換するために、F9やF10などの変換系Fnキーを押す
- 画面が1~2秒ほどフリーズし、その直後に文字が強制的に確定される
- タスクトレイに表示されているIMEは、「あ」ではなく「A」になっている(IMEが英数モードへ切り替わっている)
- その後、キーボード入力を一切受け付けなくなる
- ただし、たとえばChromeブラウザの場合、別のタブやウィンドウでは入力可能
- ChatGPTで入力できなくなった場合でも、同時に開いていたWordPressの編集画面では入力ができる(逆のパターンも同様に発生)
- またChromeのChatGPTで発生した場合、FireFOXなど別ブラウザのChatGPTでは入力ができる
- Chromeを単純に再起動しても現象は解消しない(タスクマネージャーなどで終了して再起動すれば解消する)
- 対処法①の「旧IME」への切り替えをすれば、入力ができる
- しかしまた元のIMEに戻すと、入力ができないまま
旧IMEと新IMEの切り替えにより入力の可否が変わることから、新IMEと特定のアプリの間で維持される入力フックが破損しており、アプリ側が再接続処理を行えないような状態になっている可能性などが推測される。
また先述したようにARM版 Windows+新IME+JavaScriptエディタの組み合わせ相性の悪さが、不具合に繋がっている可能性もある。
対処法はあれど解決方法は不明のまま・調査続行
キーボード入力を行っている際、Fnキーを使用した瞬間に画面が一瞬フリーズし、その直後に文字入力が一切できなくなるという現象について、対処法は前のセクションで撰述したが、完全な解決方法は不明のままである。
またこの現象が起きている根本的な原因も不明のままなので、今後ソフトウェアのアップデートなどにより自然と改善へ進むことをただただ願うばかりだ。