BUFFALOのNAS HDDとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法-外出先編-(iPhone/Android対応)

ライフハック

NASはクラウドに代わる「データの要塞」として、一般家庭にも確実に浸透した。

数ある製品の中でも、初心者に優しい初期設定録画データの移行までこなす汎用性から、BUFFALO製のNASを最初の選択肢に選ぶユーザーは、今や少なくないだろう。

「LS710D」シリーズ
「LS720D」シリーズ

※出典:株式会社バッファロー 公式サイト

しかし、奇しくもその利便性を阻むのがBUFFALOの純正アプリ『WebAccess i / A』であり、特に外出先からのアクセスにおいて、操作時の鈍重な挙動やレスポンスの悪さは、実用上の大きな壁となっている。

BUFFALO製のNASは(一部製品を除き) VPN機能 VPNは「Virtual Private Network」の略で、インターネットという公共の道路に、自分専用の「隠しトンネル」を掘るような技術のこと。これを使うことで、外出先にいながら、自宅のWi-Fiに直接繋がっているのと同じ安全な状態を作り出せる。 を有していないため、VPN対応のWi-Fiルーターを所有していない人は、外出先からNASへのアクセスはその純正アプリを介すしか手段がないのである。

もっと自由に、もっと軽快に。

今回はサードパーティ製アプリを軸に、BUFFALO製NASを屋外からストレスなく操るための環境構築の手順を撰述していく。

本記事内の情報は、BUFFALO社の公式な接続手順ではありません。動作を完全に保証するものではありませんので、あらかじめ[免責事項]をご確認のうえ、ご自身の責任にてご活用ください。

本記事で紹介する手順は、筆者の個人環境で検証した非公式な活用方法です。OSやアプリのアップデート、あるいはネットワーク環境の差異により、正常に動作しない可能性や予期せぬ不具合が生じる場合もございます。これらを踏まえ、実際の運用に際しては内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任において実行していただけますようお願い申し上げます。
なお、本手順の利用によって生じた直接的・間接的な損害について、当サイトでは一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。詳細は[プライバシーポリシー]も併せてご確認ください。

BUFFALOのNAS HDDとスマホを純正アプリ以外で快適に接続するための前提条件

外出先からBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続するためには、1つだけクリアしなければいけない前提条件がある。

それは「PCを所有している」 もしくは「メインスマホ以外にAndroid 8.0以上のOS搭載のAndroid端末を持っている」のどちらかを満たしていること。

この「PC」もしくは「Android端末」を外出先からNASへ繋ぐための中継機として使用する

そのため、外出先から自宅NASへ接続する場合は該当端末の電源をオンにしている必要があるため、利用していない旧端末などがある場合は「Android端末」を使用することを推奨する。

BUFFALOのNAS HDDとスマホを純正アプリ以外で快適に接続するための事前準備

外出先からBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続するために、まずは事前にいくつかの設定を済ませておかなければいけない。

以上の3つの設定は、それぞれリンク先の別記事にてその手順を解説しているため、参照して設定を済ませておこう。

「PC」「Android端末」どちらでも利用する『Tailscale』は、元Googleのエンジニアらによって設立された、離れた端末同士を安全な専用ネットワークでつなぐサービス。

出典:tailscale公式サイト

強力な暗号化プロトコル「WireGuard®」を採用しており、すべての通信が保護されるため、情報の漏洩リスクが極めて低いのが特徴である。

『Tailscale』導入方法と基本の使い方――デバイス間を安全に直結させる設定術
デバイス同士を繋ぐVPNサービスは数多く存在するが、Tailscaleは元Googleエンジニアたちの手によって作られた、個人利用なら無料で誰でも安全な専用ネットワークを構築できる画期的な仕組みとして近年話題になっている。そんな「Tailscale(テイルスケール)」の導入方法と基本的な使い方を撰述。

中継機にするデバイスの『Tailscale』でサブネットルートを設定する

自宅のNASへ繋ぐ中継機となるデバイスの『Tailscale』に サブネットルート Tailscaleを導入していない機器(NASやプリンターなど)に対しても、中継役のデバイスを通じてアクセスを可能にする機能のこと。自宅のローカルネットワークをTailscaleのネットワーク内に丸ごと繋ぎ込む「専用の連絡通路」のような役割を果たす。 を設定していく。

『Tailscale』の導入方法と使い方」の記事でも撰述してあるExit nodeを利用する方法でも、外出先から自宅のNASへ繋ぐことは可能ではあるが、「NASに繋ぐ」という目的だけであればサブネットルートから繋ぐことを推奨している。

Exit nodeはネット通信のすべてを自宅経由にする『大回り』なのに対し、サブネットルートは自宅の特定の機器にだけ繋げる『専用レーン』となる。

手順①:サブネットルートの設定

自宅に据え置きにするAndroid端末もしくはPCにて、インストールしてある『Tailscale』にサブネットルートを設定していく。

それぞれ設定する際に入力するネットワーク範囲は、BUFFALOのNASのIPアドレスを固定した際に参照した自宅のIPアドレスを含む範囲となるため、IPアドレスをメモしておこう。

Android端末にサブネットルートを設定する

  • 『Tailscale』アプリを開いて、右上のアイコンをタップ
  • [Subnet routing]をタップ
  • [+ Add route]をタップ
  • 自宅のIPアドレスを含めた範囲の数値を入力する
    • ※入力例)自宅IPアドレス「192.168.X.XX」⇒入力「192.168.X.0/24」
      • 例えば自宅のIPアドレスが「192.168.1.20」であれば「192.168.1.0/24」と入力する
  • [Advertised routes]に数値が反映されていればOK
Android端末にサブネットルートを設定する
  • 『Tailscale』アプリを開いて、右上のアイコンをタップ
  • [Subnet routing]をタップ
  • [+ Add route]をタップ
  • 自宅のIPアドレスを含めた範囲の数値を入力する

    ※入力例)自宅IPアドレス「192.168.X.XX」⇒入力「192.168.X.0/24」

    例えば自宅のIPアドレスが「192.168.1.20」であれば「192.168.1.0/24」と入力する。

  • [Advertised routes]に数値が反映されていればOK

PCにサブネットルートを設定する

  • Windowsのスタートメニューから、検索欄に「cmd」と入力して検索
  • コマンドプロントを[管理者として実行]をクリック
  • 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
    • IPアドレスの数値は環境に合わせて変更しよう
    • ※入力例)自宅IPアドレス「192.168.X.XX」⇒入力「192.168.X.0/24」
      • 例えば自宅のIPアドレスが「192.168.1.20」であれば「192.168.1.0/24」と入力する
    • tailscale up --advertise-routes=192.168.1.0/24
  • 次の行に「C:\WINDOWS\system32> 」などが表示されればOK
  • コマンドプロントを閉じる
PCにサブネットルートを設定する
  • Windowsのスタートメニューから、検索欄に「cmd」と入力して検索
  • コマンドプロントを[管理者として実行]をクリック
  • 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す

    IPアドレスの数値は環境に合わせて変更しよう

    ※入力例)自宅IPアドレス「192.168.X.XX」⇒入力「192.168.X.0/24」

    例えば自宅のIPアドレスが「192.168.1.20」であれば「192.168.1.0/24」と入力する

    tailscale up --advertise-routes=192.168.1.0/24
  • 次の行に「C:\WINDOWS\system32> 」などが表示されればOK
  • コマンドプロントを閉じる

手順②:Admin consoleでサブネットルートを許可する

Android端末やPCでサブネットルートの設定をしただけでは、まだそのデバイスを中継機として使用することができない。

『Tailscale』の管理画面であるAdmin consoleで、デバイスのサブネットルートを許可する操作が必要になる。

  • ブラウザでTailscale公式サイトにログインして、管理者画面の[Admin console]を開く
  • サブネットルートを設定したデバイスの[⋯]をクリックして、[Edit route setting…]を開く
  • 表示されている[192.168.1.0/24]などの数値のチェックをつけて、[Save]をクリック
  • サブネットルートを設定したデバイスのステータスで[Subnets]と表示されていればOK
Admin consoleでサブネットルートをオンにする
  • ブラウザでTailscale公式サイトにログインして、管理者画面の[Admin console]を開く
  • サブネットルートを設定したデバイスの[⋯]をクリックして、[Edit route setting…]を開く
  • 表示されている[192.168.1.0/24]などの数値のチェックをつけて、[Save]をクリック
  • サブネットルートを設定したデバイスのステータスで[Subnets]と表示されていればOK

手順③:中継機に接続するデバイスでサブネットルートの利用をオンにする

中継機でサブネットルートを設定し、Admin consoleにて中継機のサブネットルートを許可したら、最後に中継機に接続するデバイスでサブネットルートの利用をオンにする。

なおこの設定はデフォルトでオンになっているため、特に設定を変えていない人は飛ばしてしまってもOK。

スマホでサブネットルートをオン
  • 『Tailscale』を開き、右上のアカウントアイコンをタップ
  • [Use Tailscale subnets]がオンになっていればOK
PCでサブネットルートをオン
  • タスクトレイの『Tailscale』アイコンを右クリック
  • [Performances]を開く
  • [Use Tailscale subnets]にチェックがついていればOK

BUFFALOのNAS HDDとiPhoneを純正アプリ以外で接続する方法

BUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法について、まずiPhoneで接続する方法を紹介。

iPhoneでは「自宅にてBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法」で解説した際と同じく、ファイル管理アプリ『Owlfiles』を利用して、外出先からでもNASに接続できるよう設定する。

なお、既に「自宅にてBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法」にてNASへ繋ぐ設定を終えている人は、本記事の事前準備設定を行ったうえで『Tailscale』を繋げれば、外出先からNASへの接続は可能になっている。

  • 『Tailscale』を「connected」にしている状態で『Owlfiles』アプリを開く
  • [接続]タブを開き、右上の雷マークをタップ
  • [新しい接続]をタップ
  • [Windows]をタップ
  • 固定したNASのIPアドレスと、NASへアクセスする際のユーザー名・パスワードを入力
    • 同一ネットワークにいる場合、下にスクロールすると[ネットワークコンピュータ]一覧に同一のネットワークに繋がっているNASが表示されるので、そこから接続してもOK
  • NAS内のファイルが表示されればOK
『Owlfiles』からNASに接続する
  • 『Tailscale』を「connected」にしている状態で『Owlfiles』アプリを開く
  • [接続]タブを開き、右上の雷マークをタップ
  • [新しい接続]をタップ
  • [Windows]をタップ
  • 固定したNASのIPアドレスと、NASへアクセスする際のユーザー名・パスワードを入力

    同一ネットワークにいる場合、下にスクロールすると[ネットワークコンピュータ]一覧に同一のネットワークに繋がっているNASが表示されるので、そこから接続してもOK

  • NAS内のファイルが表示されればOK

『Owlfiles』の使い方

『Owlfiles』を利用してスマホとBUFFALOのNAS HDD間でファイルを転送するのは、PCでのファイルを転送する感覚と変わらない。

  • [私のファイル]タブから、NASに転送したいファイルを長押しして選択
    • 複数選択したい場合は、右上の[⋯]をタップして[選択]をタップ
  • [コピー]や[移動]を選択
  • [接続]に表示されている、設定したNASをタップ
  • 保存したいNASのフォルダを選んで[保存]をタップ
  • [ファイル転送完了]のポップが出ればOK
『Owlfiles』の使い方
  • [私のファイル]タブから、NASに転送したいファイルを長押しして選択

    複数選択したい場合は、右上の[⋯]をタップして[選択]をタップ

  • [コピー]や[移動]を選択
  • [接続]に表示されている、設定したNASをタップ
  • 保存したいNASのフォルダを選んで[保存]をタップ
  • [ファイル転送完了]のポップが出ればOK

    NASのフォルダを確認してみると、転送が完了している

BUFFALOのNAS HDDとAndroidを純正アプリ以外で接続する方法

Android端末では「自宅にてBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法」で解説した際と同じく、ファイル管理アプリ『ファイルマネージャー+』を利用して、外出先からでもNASに接続できるよう設定する。

なお、既に「自宅にてBUFFALOのNASとスマホを純正アプリ以外で快適に接続する方法」にてNASへ繋ぐ設定を終えている人は、本記事の事前準備設定を行ったうえで『Tailscale』を繋げれば、外出先からNASへの接続は可能になっている。

  • アプリを開いて[リモート]をタップ
  • [+リモートロケーションを追加する]をタップ
  • [SMB]をタップ
    • NASが同一ネットワークにいる場合、[ローカルネットワーク]を選択すると同一のネットワークに繋がっているNASが表示されるので、そこから接続してもOK
  • 固定したNASのIPアドレスと、NASにログインする際のユーザー名とパスワードを入力して[OK]
  • NASにアクセスできていれば完了
『ファイルマネージャー+』でNASにアクセス
  • アプリを開いて[リモート]をタップ
  • [+リモートロケーションを追加する]をタップ
  • [SMB]をタップ

    NASが同一ネットワークにいる場合、[ローカルネットワーク]を選択すると同一のネットワークに繋がっているNASが表示されるので、そこから接続してもOK

  • 『Tailscale』のPCのIPアドレスと、PCにログインする際のユーザー名とパスワードを入力して[OK]
  • PCの共有フォルダにアクセスできていれば完了

    『Tailscale』が繋がっていれば、どの場所からでも共有フォルダにアクセスが可能に※PCの電源がオンの場合のみ

『ファイルマネージャー+』の使い方

『ファイルマネージャー+』も『Owlfiles』同様、PCと同じ感覚でスマホからNASへファイルを転送することが可能となっている。

『ファイルマネージャー+』の使い方
  • 転送したいファイルを長押しして、[コピー]や[移動]をタップ
  • [リモート]から、同一ネットワークにある設定したNASをタップ
  • [貼り付け]でNASへのファイル転送が完了
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